から - にょたろう虫の冒険

から


ある日、アリキメデスがブロックべいの強度点検をしていたときのことです。
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ブロックべいのひびのあたりから誰かが呼んでいるようです。
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振り向いて見ても、石ころしか見当たりません。

と思ったら、それは石ころではなく、小さく縮こまったナメクジさんでした。

「じつは、アリさんに相談したいことがあるんです」

ナメクジさんは言いました。

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「親戚のカタツムリくんはかわいい生き物として子どもたちにも人気があるのに、ぼくはどこに行っても嫌われて、いじめられてしまうんです…」

どうしてだろう…。思い悩んだナメクジさんがたどりついた結論、それは…

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「から」でした。

うずまき模様のおしゃれなからが、カタツムリくんの人気の秘密だ、とナメクジさんは分析したのです。

あれに負けないすてきなからがあれば、自分も人気者になれる…

そんなわけで、草むらの数々の問題を解決してきたアリキメデスに相談をもちかけたのでした。

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「しかし、いきものはあるがままに生きるのが幸せでもあるのじゃが」

アリキメデスはそう言い聞かせようとしましたが、ナメクジさんの決意はかたく、しまいにはアリキメデスは協力を約束したのでした。

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アリキメデスはさっそく、からの代わりに使えそうなものを探してみました。

見つかったのはペットボトルのふたと、どんぐりの帽子です。

しかしどんぐりの帽子はナメクジさんには小さすぎ、ペットボトルのふたは、ナメクジさんが背負うには重すぎるのでした。

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からの代わりとして使うには、ほどよい大きさと軽さを兼ねそなえた素材が必要でした。

それは前代未聞の難問ですが、いったん引き受けたことを投げ出すわけにはいきません。

アリキメデスは、立ち上がりました。

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アリキメデスは林の奥深くに分け入り、幻の素材を探し求めました。

それは危険に満ちた、とても困難な道のりでした。

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しかし、幾多の苦難をくぐりぬけ、アリキメデスはついに、林の奥深くで追い求めていた素材を発見しました。
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アリキメデスが持ち帰ったのは、セミのぬけがらでした。

大きさも重さもちょうどよく、背中の割れたところから、ナメクジさんが出たり入ったりできるのです。

ナメクジさんは大喜びです。

ひょっとしたらこれから、お茶の間にナメクジブームがまき起こるかもしれません、そんな言葉を聞いて、アリキメデスもまた、満足感にひたるのでした。

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しかし数日後の新聞では…。

おしまい
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Author:まきペチカ
にょたろう虫は、ふしぎないきものです。
にんげんみたいにお顔がある、ちいさなイモムシです。いたずらが好きで、すこし自分勝手です。
でもいろんなおともだちといっしょに、草むらでげんきにくらしています。
さてさて、今日はどんなことがおこるのでしょうか…

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